歯科矯正用
アンカースクリュー
について
アンカースクリューとは?

歯科矯正用アンカースクリューは直径1~2㎜、長さ6~10㎜の骨に埋め込む小さなネジです。
歯科矯正用アンカースクリューを利用することで、臼歯の後方への移動や圧下など、今までかなり難しいとされていた移動も可能になりました。
アンカースクリューのメリット
1.臼歯の不要な動きを抑えることができる
出っ歯を治すために前歯を後方に下げたいとき、通常は前歯部と臼歯部を引っ張り合うことになりますが、スクリューから前歯部を引っ張ることができると臼歯はその場に留まることができるため、前歯の後方への移動量を増やすことができ、出っ歯の改善につながります。
2.臼歯部の固定装置を簡略化できる
上記のようにスクリューから前歯を引っ張ることができれば、今まで臼歯が動かないように左右の臼歯を連結していた固定装置やヘッドギアと呼ばれるお口の外から臼歯部に力を加える装置の使用を控えることができます。
3.困難な移動方向への対応ができる
大臼歯の圧下や後方への移動については、今までかなり難しいとされていました。歯科矯正用アンカースクリューを用いた装置であれば、そのような難しい歯の移動も行えることができる可能性があります。
デメリットとそれらへの対応
1.脱落することがある
インプラントと異なりいずれ除去しなければならないため、骨との化学的な結合がされません。
そのため、習熟した術者であっても成功率は80~90%と言われています。また患者さんの骨の状態や口腔衛生状態によって成功率は左右されます。
2.脱落した場合は再埋入を行うことがある
脱落してしまった場合は、歯科矯正用アンカースクリューを再埋入することがあります。
脱落した部分の骨の穴は小さいので回復しますが、数カ月の時間がかかります。そのため、再埋入時には違う部分への埋入となることがあります。
3.感染の原因となる場合がある
歯科矯正用アンカースクリューは骨に埋まっていますが、スクリューの頭はお口の中に飛び出しています。
しっかりとしたケアを行わないと、スクリュー部分から骨に至る感染を起こす可能性があります。
4.歯根を傷つけることがある
歯科矯正用アンカースクリューは歯の根と根の間に埋入されることが多いです。
そのため、埋入時に歯根を傷つけてしまう可能性があります。
当院の
アンカースクリュー
の特徴
歯科矯正用アンカー
スクリューを併用した治療
脱落してしまった場合に備えて代替案の検討が必要です。歯科矯正用アンカースクリューは優れたメリットが多く、近年の矯正治療に数多く取り入れられています。
しかしメンテナンスを怠ると、脱落することや感染の原因となる可能性があります。何度も脱落してしまう場合は、歯科矯正用アンカースクリューを使用しなくても治療目標が達成できる代替案が必要となります。

口蓋部埋入

前歯部圧下
治療に伴うリスクと副作用
- 最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1・2週間で慣れることが多いです。
- 治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。虫歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。
また、歯が動くと隠れていた虫歯が見えるようになることもあります。 - 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。
- 歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
- 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
- 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。